コンビニを利用する際、ついつい目が行ってしまうのが定番の「おでん」など、レジの横に並んだ商品です。そうした「レジ横商品」、コンビニ各社が一斉にリニューアルし、競争はますます激しくなっています。

　その場で揚げたジューシーな唐揚げに、専門店に引けを取らないドーナツ。さらに、挽きたての香り高いコーヒー。これらコンビニ各社が力を入れる商品は、店内の一等地、レジの横“レジ横”に置かれたコンビニの顔です。店舗数が今も増え続け、し烈な競争が続くなか、レジ横の戦いは各社絶対に負けられません。

　ファミリーマートは、肉まんやピザまんなどの中華まんが進化しました。何が変わったかというと・・・

　「今年の肉まんは生地と具の量が変更され、具の量がアップしました」（記者）

　これまでの肉まんは、生地６、具４の割合でした。それが値段据え置きで具の比率が増えて、食べ応えがアップしました。

　「中華まんは手軽に持ち帰れる、食べながら移動できるという特性がある。特に朝ご飯の一つとしてお勧めしていきたいと考えています」（ファミリーマート ファストフーズ部 島田奈奈部長）

　レジ横の冬のエースといえるおでんは、「つゆ」と「具材」が全て刷新されました。「焼きちくわ」は、しなやかさを持ちつつ、弾力性が向上しています。７２時間熟成した「あらびきウインナー」もパリッとした食感にこだわりました。おでんが狙うのは夜のおかず需要。おでんをつまみにちょっと一杯。飲食業界のトレンドにもなっている、ちょい飲み需要も意識しています。

　コンビニで初めておでんを売り出したセブン−イレブン。関東は宗田鰹節、関西は昆布・牛・鶏と全国で８種類の“つゆ”を使い分けています。今年は、つゆに使う“だし”を強化し、より地域の嗜好に合わせた味を追求したといいます。具材の「味しみ大根」は、名前のとおり、隠し包丁による味の染み具合がアップ。「こだわりたまご」も下処理を見直した結果、だしが黄身部分によく染みているといいます。

　おでんをより手軽なおつまみとして意識しているのが、ローソンです。具材で目立つのは突き出た串、串、串。ローソンでは、ワンコイン１００円程度で買える「串おでん」に力を入れています。今年は鶏肉や野菜を使ったヘルシーな串も登場しています。

　「特に夕方以降は、お客様はおつまみとして買われる場合が多い。串のおでんを充実させることで、夕方以降でも多くのお客様に買っていただける。ササミやハラミの商品はヘルシー感があるので、女性にも人気があると考えています」（ローソン広報室 李明さん）

　まもなく迎える食欲の秋。今夜は気のきいたおつまみをあてに、ちょい飲み。こんな需要にこたえるべく、レジ横の戦いはすでに始まっています。

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